「行ってきまーす!」
地域おこし協力隊員になって約1年。

田舎の集落で働き、暮らす毎日。
「なんでもやります!」
後先考えずにとにかく駆け抜けた1年間は
これまでの人生が点と点で繋がり
これまでの人生でいちばん誰かに必要とされた大切な1年間。
何でもできるスーパーマン。
そんなカッコいいことはできなかったけど
なんにもできないくせに、なんでも引き受けた、なんでも屋
そんな僕の1年間の集落奮闘記を
自分の備忘録とお世話になった方々に感謝を込めて
ここに残しておきたいと思います。
けっこうな長旅ですが、お時間あればどうぞご笑覧ください。

目次
【ミッション】元気なまちにしてください!
地域おこし協力隊として担当しているのは、自分たちが住む
石川県七尾市高階(たかしな)地区というところ。

人口約1,000名380世帯で全9町。
高齢化率は40%を超え、55歳以上の割合が過半数を占める準限界集落。
「なんもないところや。」
地域の方はそう言いますが、上からみると本当にその通り。笑
でもどの町もしっかり田舎で、今も50年前も風景がほとんど変わっていない。
いわゆる田舎ならではのコミュニティが今も変わらず残っている高階という集落。

「高階を元気にして下さい!」
それが地域おこし協力隊としての僕のミッション。(任田的解釈)
かといって毎日することは特に決められていなく、高階地区の自治組織「たかしな地区活性化協議会」の一員としてこの地区のまちづくりを進めていく。

活度拠点の高階地区コミュニティセンター。
七尾市は15の地区に分かれていて「公民館」という名称は「コミュニティセンター」に変更された。
よし!高階を元気にしよう!
さて、どうしよう。笑
なんでもやります!
とりあえず、なんでも首を突っ込んで、自分の名前と顔を売り、住民1000人の名前を必死に覚えることからスタート!











と、挙げればキリがないけど、何でも選り好みせず、求められるがままに身を投じて
まずはその輪に飛び込んでみた。
「任田くんよろしくな!」
こんなにも必要としてくれ何でも声かけてくれることが、シンプルにうれしく、それに応えるのが楽しかった。
やりたいことは、田舎で暮らすこと。
「田舎に行って何したいの?」
よくそう聞かれることがある。

#カフェをしたい #ゲストハウスがしたい #起業したい…そんな思いは特になく
「やりたいことは、田舎で暮らすこと。」
集落の一員としてそこの住人になりたい。
そして我が子が集落の子どもとして育ってほしい。
ただそれだけ。
そう考えると、地域おこし協力隊という職業は
やりたいことがシゴトになってる。
なんて良いシゴトなんだろう。

地域おこし協力隊っぽい一枚。笑
【仲間作り】一緒になんかやりましょう!
活動から2か月がたったころ。
- 「外から人を呼び込んでこよう。空き家はあるし。」
- 「高階小学校廃校になって、寂しくなったな…」
そんな地域の声が聞こえてきた。

なんかやりたい!地域の力になりたい!
でもアイデアもなければ仲間もいない。
「僕、何したらいいすかね?体力だけはあります!」
そんな僕をいつも思いっきり巻き込んでくれるのが
七尾のまちの「ワクワク感」を創っているこの3つの組織。
①移住者が移住者を巻き込む!能登半島七尾移住計画

七尾市の移住コンシェルジュ太田殖之さんを中心とした、20~40代の若い世帯の移住者で構成された移住計画というチーム。全国各地で「移住計画」という旗を上げてその地域を面白くするメンバーが活動している。

右手の親指を立てたお決まりポーズ。(親指は能登半島の形)
月に一度、移住者による移住者の為の交流会「イジュトーーーク」が開催され、移住者同士で繋がる場があることで、移住後も孤立しないで安心して暮らすことができる。

2次会は居酒屋で。
「居酒屋で話したことは、絶対に形にしよう!」

このふたりがいれば、基本何でもできる。笑
よそもんだからこそ気づけること、できることをこのメンバーで協力して形にする。
「ないものは、作る」
そうやって移住者が移住者を巻き込んで、さらに移住者を連れてくる好循環を
能登半島七尾移住計画のメンバーを中心に生み出している。
「よし!一緒にやりましょう!」
②七尾市の民間まちづくり会社「御祓川」

街づくりは有志でやるもの。ボランティアで。
そんな中、パイオニアとして民間の街づくり会社が七尾にある。
街の未来を描き続けてきた大人たちが立ち上げた「株式会社 御祓川(みそぎがわ)」
出張や研修に行く度、「御祓川」を知らない人はほとんどいない。(読めない人は多いけど。笑)
街づくりの第一線を走っているほんとに頼もしい会社。

大学の無いまち、七尾。
大学生が街中にいる、都会じゃ当たり前の光景がこのまちにはない。
そんな状況を救ってくれるのが
御祓川がやっている「能登留学」という大学生のインターンシップ。


2010年に始まり、これまでに約170名の大学生が挑戦してきたそう。
中には1年間休学して、能登に留学という選択をする強者もいる。
海外留学ではなくて、能登留学に。
でも単なる留学ではなく、あくまでも課題を一緒に解決していくプレーヤーとして。
課題先進地の能登だからこそ、おもしろく、やりがいがあるのだと
一緒に活動していつも思う。

最高に楽しかった。
「よし大学生!面白いコト一緒にしよう!」
③七尾街づくりセンター株式会社

七尾市のよろず相談所。
起業や創業などの具体的な相談をはじめ、移住や暮らしに関することまで何でも相談を受けてくれる相談所。
「とりあえず、困りごとはここに相談すればどうにかなる。笑」
そんな安心感をいつもくれる場所。
この3つの組織が地域おこし協力隊の実質のコーディネーター。
いつも本当に、ありがとうございます。
やりたいことは、なくても良い!
やりたいことはなくてもいい。
いや正確には、やりたいことは「明確」じゃなくてもいい。
「なんか役にたちたい!」
「どうにかしたい!」
「面白いコトしたい!」
まずは、そんな想いさえあれば形にできる仲間がきっと見つかる。

と、いうことで
そんな想いだけで仲間をゲットした僕は
「移住」と「廃校」を切り口に
まずはこの高階地区で「ニュース」を生み出すため
走り出すのであった。
~後編へ続く~
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